コロナ戦争勝利法(呼吸器内科専門医より)

半生を呼吸器内科医として歩んだ元大学病院長が、大敵コロナ鎮圧の才略を追います

11 医療崩壊の現実(2):教え子の死

 「A先生がお亡くなりになった事が傍地方の医師会報に発表されました」と不確かな情報が同僚から入り、耳を疑いました。時々携帯電話でやり取りはしたものの、数年間お会いしていなかったので彼の携帯を鳴らし、祈るような気持ちでしたが奥様が出てしまいました。詳細を伺い「一人お嬢様の今年合格した歯科大学入学式を楽しみにしていたのに…」と奥様の悲しみのお話を聞き涙が怒涛のように流れてしまいました。

 

 A先生とは長年仕事を共にしましたが、ギターの名手、音楽部の後輩で仲人もやらせていただきました。彼は患者さんの病気だけを診るのではなく、患者さんの心を五感で診れる素晴らしいⅮrでありました。責任感が強い彼のことですから地方小規模病院長としてコロナ戦士として救命救急も頑張っていたようでございます。

 

 55歳で早すぎます。悔しく、残念です。間違いなく、コロナ戦争で勤務過酷で疲弊した、先生の死を無駄にしてはいけないと思いますが、医療崩壊は続いています。