コロナ戦争勝利法(呼吸器内科専門医より)

半生を呼吸器内科医として歩んだ元大学病院長が、大敵コロナ鎮圧の才略を追います

22 コロナ後の社会(1) 主役は「生命を守る産業」

 疫病の世界史を見ると、その後社会・経済は大きく変化しています。世界史のパンデミックは14世紀から、ヨーロッパの人口の3分の1を減らした「ペスト」、その後「コレラ」、18世紀後半からの産業革命と並行する「結核」等、疫病の危機的な状況は文明のあり方に根源的な問いを突き付けてきました。

 

 今回の新型コロナウイルス危機は過去一世紀で最悪の事態になるかも知れません。新型コロナ後は突然価値観が変わり、逆にまっさらな白紙の状態になり、自由にデザインできる無限に近いチャンスを与えてくれる可能性もあります。

 

 おそらく人間全体が最も幸せな暮らしを模索するとなると、経済は「1つの手段」に過ぎなく、利潤の最大化を求めるのでなく「ソーシャルビジネス」という考え方です。

 その目的は、人間や社会を脅かす問題を解決することです。そのためには現在の経済の方向を変えて「生命を守る産業」に集中する必要があります。すなわち衛生、食糧、教育、医療、研究、安全保障などで、他者と共感して誰かを守る産業が主役となるでしょう。

 

 今疲弊している医療従事者の皆様、考え方を新たにして頑張りましょう。