コロナ戦争勝利法(呼吸器内科専門医より)

半生を呼吸器内科医として歩んだ元大学病院長が、大敵コロナ鎮圧の才略を追います

26 コロナ後の社会(5) コロナ受け入れ病院の倒産の危機

 コロナによる医療崩壊は、長年続いて来た医療費抑制政策が要因ともいわれています。そのため高額医療機器や医療資材の備蓄が出来なく、医療従事者は感染の危機にさらされ、患者さんの受け入れ態勢ができないまま一般病棟に受け入れたため、院内感染が発生してしまいます。

 

 院内感染が発生したら、最低2週間はすべての科の新患が休診となり、オペも延期となるゆえ、大幅な減収となります。もともと60%以上の病院は赤字で、ほとんどの病院の人件費は50%以上に上ります。したがって、コロナ患者さんを受け入れた病院は大赤字と思われます。

 

 私もかつて大学病院長時代に、30億円の借金返済に苦労した憶えがあります。今回のコロナ患者さん受け入れ病院は、厚生労働省、東京都にお願いされて協力したわけです。これが長く続けば、たくさんの民間病院は倒産してしまいます。

 

 国、都はぜひ速く経済的支援策を実行してほしいと思います。