コロナ戦争勝利法(呼吸器内科専門医より)

半生を呼吸器内科医として歩んだ元大学病院長が、大敵コロナ鎮圧の才略を追います

48 第二波の市中感染開始で、医療体制逼迫予測

 日本人は危機管理が苦手な国民性と言われ(第33話 コロナ戦争は長期戦、備えあって憂いなし)、第一波は、検査を主体とした臨床医学でない公衆衛生学でなんとか乗り切りました。
 しかし、PCR検査をすれば患者さんが増え、医療崩壊を招くので、PCR検査を保健所管理下としました。そのため、社会医学的な公衆衛生学の考え方が優先されてしまいました。
 したがって、少ない給付金、安倍のマスク、人の往来の禁じ等々、小手先の対策で経済はガタガタとなりました。
 東京は意味のないアラートを発令しながら、今度は経済優先シフトとなり、自粛解除して都知事選挙も小池さんが圧勝しました。

 

 その後、良き神の太陽コロナでない、悪の神コロナウイルスはひたひたと関東地方に攻め上り、7月の七夕後急激に感染者が増えています。

 問題は感染経路不明者の患者さんが増加していることですから、市中感染が始まっていて、無症候の若者たちが家に帰り、お年寄りに感染させ、入院患者さんが増えます。

 そのことで医療崩壊が起こり、最悪のシナリオとなります。報道では、今が大事な時期である事から目をそらされ、国の元経済再生大臣西村さん、都の小池さんは必ず悪者を作り出しています。
 以前はサーファー、パチンコ屋、近頃は夜の街すべてが悪者扱いです。問題を直視すれば、むしろ国、都の無策の方が問題です。

 

 政治家は、①だれでもできるPCR検査の充実(第10話 なぜPCR検査が増えないの?)②(昔の結核法である)感染症法の改正③新型コロナウイルス専門病院の設置、を早急に実行して頂きたいと思います。

 

 第38話(対コロナは常在戦場(山本五十六)で戦いましょう)にも書きましたが、敵コロナウイルスは「ただ者」でなく、連合艦隊司令長官山本五十六のようなリーダーでないと、コロナ戦争は勝利できないように思います。