コロナ戦争勝利法(呼吸器内科専門医より)

半生を呼吸器内科医として歩んだ元大学病院長が、大敵コロナ鎮圧の才略を追います

10 なぜPCR検査が増えないの?

 先日、私の友人で患者様の国会議員にメールして「PCR検査を増やしてほしい」と陳情しました。ブログ5『コロナウイルスの猛威を食止めるには!』にも書きましたが、日本の初動が台湾と違い間違ったのは、厚労省方針がPCR検査を医療行為としてではなく、感染拡大を抑え、クラスターを探す疫学調査と位置づけたからであります。

 現代医療の基本は早期発見、早期治療であります。4月24日現在、感染経路ならびにクラスター解析ができない人が半数以上になり、フェーズが変わってきました。やはり日本の初動が間違ったのは公衆衛生学、疫学指導であったからでしょうか?

 

 行政改革で厚生省と労働省が統合されたことで、医療・臨床指導ではない厚労省の責任は大きいと思いますがいかがでしょうか。さすがの日本医師会も4月に入り“医療危機的状況宣言”を発表し、PCR検査を増やして陽性の患者さんを隔離する方向にしようと提案しています。また医師会自らPCR検査センターを作り始めました。

 市中感染が始まっている今日この頃、医者の世界では呼吸器の先生ばかりでなく他科の先生も戦々恐々とし始めてきました。臨床医からみるとスピード感のない今の厚生労働省

 

 コロナ戦争にわが国は勝てるのでしょうか?