コロナ戦争勝利法(呼吸器内科専門医より)

半生を呼吸器内科医として歩んだ元大学病院長が、大敵コロナ鎮圧の才略を追います

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

25 コロナ後の社会(4) コロナ現場の医療従事者への精神的なケアを

私は時々都内の病院に非常勤で、睡眠無呼吸症候群の外来患者さんを看ております。4月に入り緊急事態宣言がだされた直後から、都の要請により、コロナウイルスの救急搬送を受け入れたゆえ、新型コロナウイルスの対応に追われ、がん患者さんなどで不要不急の…

24 コロナ後の社会(3) 都市脱出

今日まで感染症の流行は、ヨーロッパではしばしば都市のあり方について再考を促す原動力となっています。 例えば今回のコロナ流行によって、最も打撃をうけたのは、都市部であります。都市化は資本の集中投下のよって資本経済の恩恵が多いものの、混雑する通…

23 コロナ後の社会(2) 大学教育はオンライン授業に

信州大学、パリ大学、防衛医大、東京医大において医学教育に従事したとき、いつも教官として反応があって充実した教育ができたのは、臨床実習教育にて、聴診器の診察法等、理学的所見の取り方を教えている時でした、学生も医者の卵として目を輝かせて参加し…

22 コロナ後の社会(1) 主役は「生命を守る産業」

疫病の世界史を見ると、その後社会・経済は大きく変化しています。世界史のパンデミックは14世紀から、ヨーロッパの人口の3分の1を減らした「ペスト」、その後「コレラ」、18世紀後半からの産業革命と並行する「結核」等、疫病の危機的な状況は文明のあ…

21 コロナウイルスは変異体するから厄介

新型コロナウイルスの遺伝情報は半月で変異して米国の解析では17種類にのぼります。遺伝子解析をするシークエンサー(遺伝子解析装置)でゲノム解析をしますと、主に(中国型)(欧州型)(米国型)に分類されますが、その変異は17種類にも上り、世界で感染…

20 日本も(第二波)懸念

5月15日 緊急事態39県が解除されましたが、解除されていない東京・福岡など緩みが見られるようです。 おそらく6月には日本全体の緊急事態が解除されるでしょうが、世界各国、韓国、シンガポール、イランなど第2波の感染拡大がみられ、北海道は宣言解除後に…

19 なぜコロナは重症化するの?

最初は風邪のような症状の人々が8割であり自然に治ってしまいますが、それらの軽症者は今ホテルで隔離されています。そして残り2割が重症化します。したがって5人に1人は重症化する新型コロナウイルス疾患は社会的に大問題であります。 感染者が5万人になれ…

18 ワクチンは来年オリンピックに間に合うのか?

ジェンナーが100年前種痘ワクチンを牛(ワクチン)から発見して以来、人類VSウイルスの戦いで人類勝利の最大武器はワクチンであります。 結核は、生ワクチン、インフルエンザは不活性化ワクチンが開発され、鶏の卵の中で培養した細胞でウイルスを増やし…

17 「9月入学」は今だ!

私は小学校1年生より母子家庭になりましたが、母は私の教育費や生活費を捻出するため、生け花の草月流師範となり、生け花教室を経営していました。 母は父から感染をうけた結核症の後遺症で慢性気管支炎を合併していても水回りの多い仕事場で、いつも苦しそ…

16 防衛省・自衛隊による素晴らしい医療体制

私は、かつて防衛医科大学呼吸器内科の指導医として12年間勤務していました。当然有事の際の呼吸器感染症対策は重要な教育、研究の命題でありました。 今、その当時の教え子が自衛隊中央病院、陸上自衛隊化学学校(大宮)などの中枢に勤務していて、誇らしい…

15 介護崩壊は始まるのか?

新型コロナウイルスの感染を防ぐため、通所型を中心に全国で900以上の施設で介護事業所が休業しています。通所型が休業しますと家族の負担は急激に増えてしまいます。 特に東京・大阪等は家族の事を考えて、介護施設を休業要請の対象には含めていません。…

14  医療従事者は戦場で疲弊

日本は今、医療崩壊の寸前で止まっていると言われていますが、新型コロナウイルスの中心地となった欧州では、医療従事者にも感染が広がり、多くの死者を出しています。 患者数が受け入れ可能な人数を完全に超えています。病院では人工呼吸器が不足しており、…

13 医療崩壊(4):医療従事者はいつまで耐えられるか?

1ヶ月前、非常勤医師として週一呼吸器内科外来を担当している病院の看護師さんに新型コロナウイルスのクラスターが発生しました。ただちに外来閉鎖、新規入院者なし、手術中止などの処置がとられ1か月近くになりますが、再開目処は立っていないようでありま…

12 医療崩壊(3):眼科、耳鼻科、美容形成医等 専門内科医師以外に発熱外来医可能か?

近親者が眼科医で非常勤医師にもかかわらず、「発熱外来の依頼があったがどうしたらよいか?」の相談がありました。「たとえ研修医時代感染対策の勉強しているからといっても新型コロナ対策は従来型でなく、化学ガス戦争並みゆえ、発熱外来は単なる情熱や使…

11 医療崩壊の現実(2):教え子の死

「A先生がお亡くなりになった事が傍地方の医師会報に発表されました」と不確かな情報が同僚から入り、耳を疑いました。時々携帯電話でやり取りはしたものの、数年間お会いしていなかったので彼の携帯を鳴らし、祈るような気持ちでしたが奥様が出てしまいまし…